3-2.《樵の歌(Le Bûcheron)》について

 

アングラメルは、《樵の歌》(図版1)をシリンダーに記譜するにあたり、目盛り10のダイヤルをハンドルに取り付け、目盛り五つ分のハンドルの回転にあたるシリンダー上の円周を、4分音符と換算している。ここでは参考として、楽譜の第0から第3小節までを取り上げる。

 

図版2上段の図表は、《樵の歌》の楽譜の第0から第3小節までの音符の音価を、参考までにそのままシリンダー上に反映した場合の展開図で、音価を黒色で表している。実際には演奏家は、音の長さや音価の比率を趣味に基づいて判断するので、このような演奏は起こり得ないが、楽譜の情報だけに基づくとこのように表されてしまう。

 

図版2下段の図表は、《樵の歌》の楽譜の音符の上下に、アングラメルによって記された記号に基づき、シリンダー記譜法の原理に則って、装飾音や不等音符、実際の音の長さなどを表した展開図。つまりこの曲は、実際にはこのように演奏されるということである。灰色は無音部分を表す。特に、第1小節と第2小節の最後にある、二つの8分音符は、不等音符と判断し、音価の比率をここでは32にしてある。

 

S.Y.

 

 

 

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図版1

 

図版2

S. Y.