担当教官:劉 岸偉
講義題目:小品散文を読む
小説、戯曲などのジャンルに比べて、散文は中国文学史において、ひときわ特異な位置を占めている。一九三〇年代は、中国新文学の「黄金時代」と言われているが、同時に小品散文の全盛期でもあった。民族の伝統に深く根をおろす一方、世界に通ずる文体で書かれたこれらの作品は、中国人の社会生活、作家の内面を多角的に反映し、中国近代文学の一つの達成を示している。この講義では、諸名家、例えば林語堂、周作人、豊子ガイ、梁実秋、葉霊鳳などの作品をとりあげ、細かくテキストを味読する一方、作家をとりかこむ環境、西洋、日本とのかかわりをも検討したい。テキストはその都度プリントで配布。