比較文学比較文化演習II

担当教官:内野 儀
講義題目:ポストコロニアリティと演劇

いわゆるポストコロニアリズム批評の現在までの展開を概観する。主要な視点は、ポストモダニティとポストコロニアリティの交差する領域を理論的に踏査するということになろう。その際、ナショナル・アイデンティティ、ポストナショナル・アイデンティティ構築のプロセスにおけるパフォーマンス性/身体性(具体的な演劇表象を含め)の問題を中心課題として考えたい。とりあえず今回は、一方でファノン、セゼールからはじめてスチュアート・ホールへ、他方でドゥルーズ、サイード、ジェイムソンからスピヴァックへというふたつの思想的ディスクールの流れを追う。テクストは基本的にすべて英語のものを使用する。