担当教官:義江 彰夫
講義題目:『扶桑略記』を通して見る東アジアの中の日本
『扶桑略記』は平安時代末に編纂された同時代までの編年体の日本通史である。他の類書にない、中国・朝鮮など東アジア諸民族との交流を伝える記事や、社会の裏面をリアルに語る民俗誌的記事を多く載せた異色の本である。又、本書の記事には出典の明らかなものが少なからずあるが、原典と引き当てると、かなりの差異が認められ、原話の変容の経緯を探れる恰好のテキストでもある。なお本書は日本型漢文を解読する教材としても好適。今学期は醍醐天皇延喜二年(902年)から。報告者が担当個所を音読・要約・出典確認・論点提示した上で、質疑応答・全体討論という形ですすめる。冬学期は夏学期の継続である。