比較文学比較文化演習III

担当教官:今橋映子
講義題目(夏学期):写真と異文化表象

先学期に続き、比較芸術論の一環として写真を取り上げる。従来異文化理解をめぐる研究では、その分析対象となるテキストは主に文学、絵画などに限られてきたが、今回はそれを写真メディアを通じて考えてみたい。写真(史)に関する基本的知識の有無は問わないが、これを機会に写真を勉強してみる意欲のある参加者を期待する。授業は、講義および参加者全員の発表から構成する。講義では、

  1. オリエンタリズムの写真表象
  2. パリと外国人写真家
  3. 現代日本人写真家たちの異文化理解

などについて触れる予定。参加希望者は、以下のテクストを生協で購入し、初回の授業に必ず参加されたい。

*今橋映子監修『国際交流』第88号(特集—写真 世界を映す装置)2000年7月


講義題目(冬学期):展覧会カタログ再考

比較芸術論のうち、ことばイメージをめぐる問題群の一環として、展覧会カタログを取り上げる。

  1. 西洋美術史における展覧会カタログの歴史や方法論
  2. 現代日本におけるカタログの問題点 等

を講義で押さえた上で、美術のみならず比較文化論的企図をもつ展覧会カタログの具体的事例について検討する。参加者の専門は問わないが、普段美術展などに頻繁に足を運び、カタログについて強い関心を抱いている参加者を期待する。
参加者は、各自関心分野のカタログについて、具体的分析をもとにした発表が求められる。可能ならば、カタログ製作に実際に携わっている現場学芸員や、出版関係者との対話の場も設定したい。
参加希望者は、初回の授業に必ず出席すること。