比較ナラトロジーII

担当教官:伊藤 徳也
講義題目:周作人精読

「文抄公」とあだ名された周作人(1885-1967)の文章を何篇か選んで精読する授業です。精読を通して、大量の引用とそれを統合しようとする「我」、「不佞」のあり方を考えてみたいと思います。それは中国近代白話詩の佳作(「小河」)の作者でありながら、晩年、旧体詩形式の「雑詩」の創作に力を注ぐようになったこととも深い関係があります。引用はかなり多様な文体を含み、かつ、よく知られていない先人の事蹟に言及することがあるので、読むのはあまり楽ではありません。夏学期だけなので量はこなせませんが、せいぜいじっくり進めたいと思います。