文化コンプレクシティ演習V

担当教官:大澤 吉博
講義題目(夏学期):比較文体論

夏学期は、比較文体論の授業をします。私の現在の関心は、日本近代文学における「欧文脈」の形成とその意味ということですが、今回は、明治20年代の文章を読んで、その文体的特徴を分析します。扱う対象は、二葉亭四迷訳「あひびき」(明治21年の初訳と29年の再訳)、樋口一葉の作品、森鴎外の独逸3部作です。「あひびき」はこちらでコピーを作りますが、樋口一葉、森鴎外のテクストは初出本文を影印復刻した和泉書房のものを使います。出席者の顔ぶれを見て、授業のやり方は最終的に決めますが、学生諸君には授業中活発に発言することを求めます。授業進行の詳細については、印字したものをお渡しします。


担当教官:大澤 吉博
講義題目(冬学期):金億の訳業

冬学期は、翻訳論の授業をします。今回は、近代韓国で外国詩の翻訳をした金億の訳業を取り上げます。原詩、堀口大学による日本語訳詩などを参照しつつ、金億の訳詩の意義を調べます。この授業が成り立つためには韓国人留学生の手助けを得なければなりません。授業では韓国語、英語、日本語のテクストが使われます。この授業の出席者は夏学期に比べれば、ぐっと少数になるでしょうから、授業は、割り当てられた個所についての学生の発表とそれをめぐる議論とう形で進められることになるでしょう。その場合でも担当部分しか発言しないということでは困ります。