神話と文化II

担当教官:岡部 雄三
講義題目:神秘と合理—近世初期キリスト教研究—

中世後期から近世初期にかけてのキリスト教思想文学に関する幾つかのテクストを読みながら、人間観、自然観、身体性、神話、聖典解釈、合理と非合理の接点などについて考えていく。これらの作業をとおして、キリスト教がもつさまざまな特質や傾向に対する理解も深めていきたい。テクストとしては、イエスの花嫁としての魂が出会う数々の冒険を宮廷文学を背景として華やかに描いたマクデブルクのメヒティルト、超越性、無限性を論理的に考察し反対の一致という視点からこれを問い直した哲学者クザーヌス、宗教改革者ルターの出版によって広く世に知られるようになり、思弁的信心書の近世的源泉の一つとなった『ドイツ神学』等を予定している(適宜原文を配布し、翻訳も併用する)。できれば仏教との対比も試みたい。出席者は、初回の授業時に必ず出席のこと。