担当教官:岡部 雄三
講義題目:シェリング『人間的自由の本質』講読
シェリング『人間的自由の本質』のうち、本論部分の中途以降をドイツ語テクストに拠りながらゆっくりと読み解いていく。内容としては、神と人間と自然の存在根拠、二つの原理(闇と光、火と水)、自己の成り立ち、悪の可能性と現実態、人間に与えられている自由、神の愛、根拠の彼方としての底なしなどが問題群として展開される。周知のように、ドイツ観念論のなかでもひときわ異彩を放つこの魅力的な著作は、哲学的伝統ばかりか、神智学や錬金術の伝統をも強く踏まえている。授業はゼミ形式で進め、発表者は自分なりの訳稿を作成した上で臨むこととしたい。テキストは以下のものを用いるが、できれば各自前もって購入しておくことが望ましい。
F. W. J. Schelling: Philosophische Untersuchungen über das Wesen der menschlichen Freiheit (Philosophische Bibliothek 503), Hambrug: Felix Meiner Verlag, 1997 (ISBN 3-7873-1311-7)