比較形象論I

担当教員:今橋 映子
講義題目(夏学期):ブラッサイと両大戦間欧州写真研究

ハンガリー・トランシルバニアに生まれ、ベルリンを経てパリに越境した写真家ブラッサイを取り上げ、彼の筆になるフランス語テクストを詳細に分析する。雑誌掲載の記事、『1930年代秘密のパリ』、フランス語訳日記、『ピカソとの対話』、そして特に『落書き』関係のテクストを中心に取り上げる。それと同時に両大戦間欧州写真に関する近年の研究動向や方法について講じる。その重要文献も加えることになろう。参加者は上記のテクストを分担して精読し、仏仏辞典や写真関係仏語事典の扱いに慣れることを第一の目的にする。
参加には、十分な初級文法の知識が必要とされる。
テクスト等の指示があるので、希望者は初回授業に必ず出席すること。


講義題目(冬学期):森鴎外と美術

本年11月−12月に静岡県立美術館でおこなわれる「森鴎外と美術」を良い機会として、その展覧会カタログをテクストとし、文学と美術をめぐる諸問題を考える。これまで鴎外テクストを読んでいない参加者も歓迎。内容としては——

  1. 鴎外小品の味読——「文づかひ」「花子」を中心に
  2. 鴎外と原田直次郎——芳賀徹論文の解析
  3. 鴎外を通してみる明治美術界——画壇と人物交流図
  4. 画家と戦争
  5. 美術批評とは何か?
  6. 鴎外と明治期美学の成立

内容は参加者の専門によっても変更可能。非常に精緻なカタログを読み込むことによって、「文学と美術」というテーマを扱う面白みと問題点を整理したい。また、漱石に比べそれほど言及されることのなかった鴎外の例を見ることによって、明治文学者のジャンル越境の問題に眼を開かされることだろう。
ゼミでの事前読解および議論をふまえ、11月26日(日)に静岡県立美術館の展覧会を見学する予定。現地集合現地解散。詳細は後日参加者と相談の上決める。 参加希望者は初回の授業に「必ず」出席すること。