比較ナラトロジーII

担当教員:伊藤 徳也
講義題目:林語堂From Pagan to Christian(59)を読む

林語堂は、80年代以降、「幽黙大師」「小品文の提唱者」欧米向け中国(文化)スポークスマンとして一部で高い評価を得ているが、彼の真価は他にある。彼の真価を代表するのは、有名なMy Country and My People (35)やThe Importance of Living (37)あるいはMoment in Peking(39)ではなく、From Pagan to Christian(59)であるように思われる。この精神的自伝From Pagan to Christianを精読していく。二種類の中国語訳を参照しつつ、背景となった19世紀末福建から20世紀前半の中国、アメリカ、キリスト教世界の状況や社会文化的仔細を調査・確認する作業が受講生には要求される。