超域文化科学特別講義II

担当教員:石田 佳也
講義題目:日本近世絵画史研究 屏風絵の画題を巡って

日本美術史における個々の絵画作品は、同時代の美術の世界にとどまるものではない。いずれの屏風や絵巻も、例えばその画題に着目すると、絵画以外の造形分野や、時代や地域を超えた諸文化との関連を少なからず見出せる。この講義では、日本美術史の基本事項を確認しつつ、とくに近世初期に制作された屏風絵などに関して、芸能や文学、宗教や生活風俗との関連も視野に入れながら、その文化史的意義を考察したい。

毎回、桃山時代から江戸時代前期にかけて制作された屏風や絵巻から特定作品を選び、画題に関する歴史的変遷を紹介し、関連作品との比較検討を行う。毎回の講義において中心となるテーマは、とくに屏風の画題分析を基本としながら、画家や流派、画面形式や技法、さらには芸能や文学との関連など、様々な視点から選択される。尚、講義のテーマとして取り上げる順番は、必ずしも美術史の流れに沿うものではない。