出口 智之 DEGUCHI Tomoyuki
連絡先
degutomo @ g.ecc.u-tokyo.ac.jp
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生年・出身地
1981年 愛知県生まれ
役職
准教授
取得学位
博士(文学)
研究主題・分野
明治時代の日本文学および文人ネットワーク、特に幸田露伴と周辺の文人たちの研究。文学作品に附された口絵・挿絵の研究。
研究・教育プログラムとの関係
比較芸術・比較日本研究
所属学会
日本近代文学会、東京大学国語国文学会、樋口一葉研究会(代表)、泉鏡花研究会
主要業績
- (主著)
- (主要共著)
- 『国語をめぐる冒険』岩波ジュニア新書、2021年
- 『森鴎外宛書簡集 4〈か―こ〉編』(監修)、文京区立森鴎外記念館、2021年
- 『明治文学の彩り―口絵・挿絵の世界』(日本近代文学館編、出口智之責任編集)春陽堂書店、2022年
- 『もっと知りたい夏目漱石 文学と美術』東京美術、2025年
- (主要論文)
- 「第二期『新小説』における文学と絵画―口絵・挿絵の戦略と羈軛―」(東大比較文学会『比較文学研究』105、2019年12月)
- 「尾崎紅葉「多情多恨」の挿絵戦略―自筆の指示画から考える画文学―」(明治書院『国語と国文学』97-5、2020年5月)
- 「近代文学研究は近代「文学」研究で十分か?―樋口一葉「十三夜」から考える画文学の試み—」(日本文学協会『日本文学』71-4、2022年4月)
- 「多重化される物語―泉鏡花「清心庵」と富岡永洗の口絵―」(京都女子大学国文学研究室『女子大國文』175、2024年9月)
- 「画文学から考える児童文学研究の可能性―巌谷小波『当世少年気質』を例に―」(日本児童文学学会『児童文学研究』57、2025年3月)
主要担当授業題目
- 大学院
- 学部3・4年生向け
- 学部1・2年生向け
- (講義)「古典日本語の世界」
- (演習)「日本文学と絵画」など
自己紹介
坪内逍遥「小説神髄」(明治18~19年)を一つのきっかけとしてはじまったものの、まだその姿が確として定ってはいなかった日本近代文学の出発期について考えたく、明治中期の文学を研究テーマとして選びました。特に幸田露伴の文学を中心的な対象としたのは、後年になって成立した小説中心の文学観にとらわれず、和漢の古典文学・儒仏道の三教・歴史・地理などの該博な教養を背景として、様々なジャンルの作品を残したその幅広さに惹かれたからでした。また、それぞれの専門領域がいまだ未分化だった明治期の文化状況を総合的に理解するため、露伴とその周辺の文人たちの集団、「根岸党」を一つの核として、小説家にかぎらない文人たちのつながり、ネットワークの解明も同時に行ってきました。近年ではそうした研究のうえに立ち、明治期の作家たちと口絵や挿絵、およびそれを描いた画家たちとの関係を第三の柱として、研究を進めています。