今橋 映子 Eiko IMAHASHI
連絡先
比較研究室までメールで
生年・出身地
1961年生まれ 東京出身
役職
教授
取得学位
博士(学術)
研究主題・分野
比較文学・比較文化(比較文学比較文化の理論、近代日本文学・文化におけるパリ、〈パリ神話〉研究、日本近代の美術思想、日本近代美術批評史、文学と絵画(写真)の相関関係、異文化理解の倫理、20世紀写真史など)
研究・教育プログラムとの関係
比較芸術、比較文学
所属学会
日本比較文学会、日本フランス語フランス文学会、日本近代文学会、日仏美術学会、明治美術学会、日本映像学会
、日本建築学会
主要業績
- [詳細業績は個人HPへ]
- 主著
- 『異都憧憬 日本人のパリ』柏書房、1993年/平凡社ライブラリー、2001年
- 『金子光晴 旅の形象——アジア・ヨーロッパ放浪の画集』(編著)平凡社、1997年
- 『パリ・貧困と街路の詩学——1930年代外国人芸術家たち』都市出版、1998年
- 『〈パリ写真〉の世紀』白水社、2003年
- 『展覧会カタログの愉しみ』(編著)東京大学出版会、2003年
- 『パリ1900年・日本人留学生の交遊——『パンテオン会雑誌』資料と研究』(編著)ブリュッケ、2004年
- 『リーディングズ 都市と郊外——比較文化論への通路』(編著)NTT出版、2004年
- 『ブラッサイ パリの越境者』白水社、2007年
- 『フォト・リテラシ——報道写真と読む倫理』中公新書、2008年
-
『近代日本の美術思想——美術批評家・岩村透とその時代』上・下巻 白水社、2021年
-
『比較文学比較文化ハンドブック』(監修・編)東京大学出版会、2024年
- 主要論文
- 「クロス・ジャンル研究の現在——比較芸術論の新たな地平」(東大比較文學會『比較文學研究』第74号、1999年8月)
- 「美術批評家・岩村透と初期社会主義——大逆事件下の「美術と社会」(上)(下)」(『思想』岩波書店、2014年5月、6月)
- 「雑誌『美術新報』改革と岩村透・坂井犀水——大逆事件とポスト印象派の時代に」(『超域文化科学紀要』第19号、2014年11月)
- 「大正改元期の〈美術問題〉——美術批評家・岩村透と輿論形成の戦略」(東大比較文學會『比較文學研究』第100号、2015年6月)
- 「岩村透没後十年忌(1926年)本瑞寺所蔵追善作品群の意味」(2016年度科研費成果報告書、2016年10月、全62頁)
- 「明治大正期日本のアートドキュメンテーション——美術批評家・岩村透による国内外美術情報の構築とその思想(上)」(『超域文化科学紀要』第22号、2017年10月)
-
「美術建築としての吾楽殿(1911年)——〈民藝〉直前の装飾美術運動と建築界」(明治美術学会『近代画説』第31号、2022年12月)
- 「人文系博士論文——理念と現場のはざまで」(東大比較文學會『比較文學研究』第108号、2023年1月)
主要担当授業題目
- 大学院
- 「日本近代美術と社会——徹底講義」
- 「比較研究の理論」
- 学部3・4年生向け
- 「アートライティングの試み——創る・観る・支える」
- 「芸術作品をいかに分析するか——エクスプリカシオン・ド・テクストの理解と応用」
- 学部1・2年生向け
- 「展覧会カタログとは何か―駒場博物館資料室実習」(総合科目・比較芸術)
- 「異文化体験を語る・書く」(総合科目・比較文化論)
自己紹介
私は、大学院時代に比較文学・比較文化を専攻しました。博士論文で扱った「日本人のパリ体験」という出発点には文学研究があり、それが今でも私の芯になっています。テーマの性格上、その後次第に、視覚芸術(とりわけ写真研究)に手を伸ばしました。その後再び日本近代に照準を定め、「美術と社会」に関する総合的研究をおこない、2021年に大著を刊行しました。
2021年度からは、比較文学比較文化の理論を初学者に届けるべく、共同研究を行い、2024年に刊行しました。
私の研究(および大学院教育)分野は主に以下のようになります。
- 比較文学比較文化という学問に関する理論の再構築(共同研究)。
初学者向ハンドブック、全国の大学(大学院)における比較教育に関する社会調査、 総合的研究書誌の作成を中心とするプロジェクトの推進
- パリと東京をケース・スタディとする都市論の展開に関する考察。
特に19-20世紀パリ神話と外国人芸術家たちの関係。ここにはとりわけ「異文化理解とは何か」 という問題系が含まれます。
- 日本近代文学(詩を含む)におけるパリ表象。および日仏文化交流に関する 歴史的、文化行政論的考察。ここには文学と視覚芸術に関する総合的なクロス・ジャンル研究も含まれます。
- 明治・大正期の「美術と社会」に関する総合的研究。岩村透の美術思想、美術批評の成立と雑誌メディアや欧米美術界との関係、大逆事件下の言論統制と美術界、文学・美術・建築界の連携、「工芸」の再定義などを含んだ研究です。
- 都市写真(とりわけ〈パリ写真〉)の研究。ドキュメンタリー写真の歴史的経緯、メディア論的考察。写真を見る倫理。