比較芸術論I

担当教員:今橋 映子
講義題目:比較芸術論入門—展覧会カタログを手がかりに

比較芸術論は主に、文化の越境とジャンルの越境を2つの大きな柱として立てている。本授業では講義形式で、比較芸術論の基本的概念と守備範囲、および必須文献情報を整理したい。その際手がかりとなるのが、展覧会カタログである。近年の展覧会は、単に有名な一作家の大規模展のみならず、様々な学問分野を横断しつつユニークな企画をもとに展開しているものが多い。その比較文化的概念操作は、展覧会カタログを精読することによって明らかになってくる。一方展覧会カタログは、実は厳密には「書籍」ではなく制作や流通で特殊な事情を抱えた文化的制作物でもある。そうした事情を踏まえつつ、芸術研究に必要不可欠で、最前線のアート情報を得られるカタログから、比較芸術論の基礎を学ぶことを目的とする。フランスのカタログ事情も重視するが、特にフランス語能力を前提とはしない。出席重視。参加希望者は以下の教科書を入手し、初回の授業に必ず出席すること。

教科書及び参考文献:『展覧会カタログの愉しみ』(東京大学出版会)