比較思想論I

担当教員:門脇 俊介
講義題目:ハイデガーのニヒリズム論

ハイデガーが、1930年代から40年代にかけて行ったニーチェについての講義は、ハイデガー哲学の重要な転換を示しているだけではなく、ヨーロッパ哲学全体の批判者ニーチェのテクストをさらにハイデガー流に解体して、ニーチェをヨーロッパのニヒリズムの完成と位置づける「存在史」の構想を描き出す。

今回の授業では、Der europäische Nihilismus「ヨーロッパのニヒリズム」を、ハイデガーの前期の哲学を考慮しながら、通読する。テクストは日本語訳を用いるので必ずしもドイツ語の読解能力は必要としない。(もちろんその能力があることは望ましい)

教科書及び参考文献:マルティン・ハイデッガー『ニーチェII』(平凡社ライブラリー)