日本文化基礎論II

担当教員:ロバート キャンベル
講義題目:日本近世「通俗」考

江戸時代の思想家と文学者たちはつねに「通俗」の位置づけを考え、自らの営為のなかで、その質とバランスについて苦慮した。
講義では時代を追いながら、いくつかのテーマに沿って同時代の「通俗」思考と、主として文学作品におけるその実践を検証する。テクストと研究文献(プリント配布)を読み合わせながら、毎週次ぎの主題を順に見てゆく。

  1. 啓蒙文学の黎明
  2. 近世「人情」諸説
  3. 俳文/狂文の表現態
  4. 「通俗」の位置づけ
  5. 江戸戯作と虚実
  6. 雅俗文体論における「通俗」の意味
  7. 近代への接近

評価は、授業中に与える宿題と期末レポートによって行う予定。出席も考慮する。