比較歴史世界論II

担当教員:杉森 哲也
講義題目:都市図屏風の歴史的展開過程について

「都市の時代」といわれる日本の近世(16~19世紀)には、都市の諸相を描いた屏風絵である都市図屏風が数多く製作された。京都の市中と郊外の風俗や名所を描いた「洛中洛外図屏風」、織田信長の城下町・安土を描いた「安土図屏風」、ヨーロッパの諸都市を描いた「世界図・都市図屏風」などである。本授業では、この都市図屏風を取り上げ、日本とヨーロッパとの関係という視点を軸としながら、その歴史的な展開過程について講義する。具体的には、都市を屏風絵に描くということの歴史的意味、16~17世紀における日本とヨーロッパとの交流、近世の都市の社会=空間構造などについて考える。なお、本授業では、都市図屏風の諸作品をスライドで紹介しながら講義を進める予定である。

教科書及び参考文献:杉森哲也著『描かれた近世都市』(山川出版社、2003年)