担当教員:宗像 和重
講義題目:「枡目の近代」――近代の活字文化と原稿用紙
原稿用紙という媒体を通して、近代日本の言語文化を考えてみたい、というのがこの授業の趣旨である。国語教育の現場における「作文」や、作家の草稿類を思い浮かべてみよう。おおよそ、明治後期から比較的最近まで、言葉で何かを表現することは、原稿用紙の四角い枡目に一文字ずつ文字を埋めていくことと同義であった。そのことが、近代の言語環境に何をもたらしたか、――変体仮名と句読点、用紙と筆記具、「綴方」と「作文」、活字と印刷、出版と書物などの諸点から検討してみたい。
教科書は特に使わず、印刷物などを配布する予定。成績評価は学期松のレポートを中心とするが、できれば授業中に一度、短い発表の時間を設けたい。