日本文化資料研究

担当教員:佐藤 悟
講義題目:草双紙概論

江戸時代後期に江戸の地で赤本、黒本青本、黄表紙、合巻という展開を遂げた草双紙と呼ばれるジャンルについての概論をおこなう。草双紙は挿絵と本文が一体となった特異な形態の文学作品であり、また近世の商業化した出版システムとも密接な関係をもっていた。授業においては以下のような内容を予定している。

  1. 浮世絵派概説、および菱川師宣をめぐる諸問題
  2. 地本論・享保改革と出版統制
  3. 赤本、黒本青本論
  4. 寛政改革と黄表紙
  5. 地本問屋と行事改
  6. 南杣笑楚満人の敵討もの
  7. 式亭三馬の合巻
  8. 名主改の創始
  9. 合巻作風への規制
  10. 山東京伝の合巻
  11. 柳亭種彦と『正本製』
  12. 曲亭馬琴『傾城水滸伝』の衝撃
  13. 曲亭馬琴の潤筆料
  14. 『偐紫田舎源氏』と天保改革
  15. 幕末の合巻