比較思想論I

担当教員:金子 善彦
講義題目:アリストテレスの行為論・魂論

私たちが何か行動を起こすとき、その「動き」の起源はどこにあるのか。アリストテレスの『動物運動論』はこの問いをめぐってさまざまな議論を展開している。これをテキストとして読み進め、多角的に考察することで、行為や心の問題について理解を深める。また、古典をじっくり読む態度を養うことにも力を入れる。

初回は、問題の所在、授業の進め方などについてガイダンスを行うが、それ以後は早速テキストを読み始める。『動物運動論』以外にも、必要に応じ、『デ・アニマ』(魂について)、『自然学』などから関連箇所をピックアップし、併読する。

人数にもよるが、日本語訳、問題点・疑問点の指摘などを行う担当者を毎回1~2人決め、所定の範囲を読みながら議論するという演習形式を予定している。基本的にギリシャ語原文と英訳の対訳テキストを用いるが、英訳だけでの参加も歓迎するので、ギリシャ語が不安な場合もあまり心配には及ばない。