科学哲学演習IV

担当教員:信原 幸弘
講義題目:脳神経倫理と心の読み取り

脳科学の発達によって、脳神経倫理学とよばれる新たな学問が脚光を浴びつつある。それは脳科学をめぐる倫理的諸問題を考察するとともに、倫理についての脳科学的研究を行うものでもある。脳神経倫理学が扱う問題のひとつに、マインドリーディングの問題がある。脳科学が発達すれば、脳の状態を読み取ることによって、他人の心の状態を読み取ることができるようになる可能性がある。しかし、そうなると、心という究極のプライバシーが侵されてしまうことにならないだろうか。脳科学によってどの程度、心の読み取りが可能になるのか、またそこにどのような倫理的問題があるのかを、関連する文献を読みながら、考察する。