比較芸術論II

担当教員:金子 隆一
講義題目:「写真集」研究

「写真集」は、絵画における「画集」とはその意味を異にする。同じように視覚的な書物ではあるが、オリジナルと複製という関係ではなく、それ自体が自立した表現の最終的な「かたち」として存在する。さらに「写真集」は、写真の問題だけではなく、印刷や編集、造本デザインなどさまざまなメディアがクロスするところに位置しているといってよいだろう。今日につらなる「写真集」の系譜は、20世紀初頭に遡れるのだが、本授業ではそんな「写真集」の歴史をたどると同時に、「写真集」というかたちがもつ今日的な可能性を探ろうとするものである。