比較芸術論演習I

担当教員:今橋 映子
講義題目:カルティエ=ブレッソン写真集『決定的瞬間』を読み直す

20世紀写真史の記念碑的存在である写真集『決定的瞬間』(Images à la sauvette, 1952)。しかしこの写真集の成功は同年出された英訳(The Decisive Moment)に負うところが大きい。フランス語原文と英訳を付け合せ、日本語訳を決定する作業を試みることによって、「決定的瞬間」という言説の成立を見届けるとともに、20世紀フォト・ジャーナリズムとアートのはざまにあるカルティエ=ブレッソン写真について再考したい。同時にそれが日本写真界でどのように受け止められたのかについても考える。
授業の後半では、実際にカルティエ=ブレッソンの写真展も見学する予定。
この授業はフランス表象芸術論特殊演習と合同であるが、フランス語を学んでいない参加者でも充分対応する。むしろこの際写真について学ぼうとする熱意ある参加者を期待する。授業は、出席重視。小発表と最終レポートで判定する。
参加希望者は、初回の授業に必ず出席する事。テクスト等はその折に指示する。