日本の歴史文化

担当教員:三谷 博
講義題目:東アジア近代の起源

現在の我々が生きている東アジア・リージョンがどのようにして生成したか、その発端の時代について解説する。ヨーロッパとは形の異なる「近世」が中国に生まれた時代から始め、19世紀の東アジアで、西洋の再登場とともに日本・朝鮮・中国の相互関係がどのように変わったかを詳しくみる。終わりは日清戦争、日本の帝国化、中国・朝鮮でのナショナリズムとデモクラシーの覚醒により、20世紀前半の国際秩序の枠組みがほぼできた時点で締めくくる。21世紀の現在、20世紀前半の歴史記憶はなお我々を縛っているが、それ以前の時代を観察しつつ長期的な秩序の可変性を考えたい。

教科書:三谷博・並木頼寿・月脚達彦編『大人のための近現代史 19世紀編』東京大学出版会、2009年。

指定教科書に沿い、パワーポイントで要点・画像を示しながら、進める。内容は、要点を押さえた上で、異論を含む歴史解釈上の問題点を解説する。事前に教科書に目を通しておいた方がよい。質問を歓迎する。

今まで常識とされてきたた一国史を超え、グローバル・ヒストリーにつながる歴史の可能性を探る。また、すぐ隣に生きる人々の生き様にも眼を向ける。そうした関心に立って、積極的に質問を投げかけてほしい。