比較芸術論演習II

担当教員:今橋 映子
講義題目:漱石と美術、鴎外と美術

日本近代文学の二大文豪とも言える二人を敢えて取り上げ、「漱石と美術」「鴎外と美術」について多角的に考えてみる。
画家小説、小説の中の絵、本の装幀と挿絵、画家との交遊、美術評論家としての作家、美術行政家としての作家など、実にさまざまな側面があらわれてくるであろう。
作品を精読すると共に、関係する論文をきちんと分析する能力も養う。同時に文学関係展覧会カタログにも親しむ。

1)漱石と美術、鴎外と美術ーーその多面性と特徴(講義)
2)漱石と美術ーー関連文献精読(参加者発表)
3)鴎外と美術ーー関連文献精読(参加者発表)
4)文学と展覧会カタログ(駒場美術博物館カタログ資料室実践授業)

駒場キャンパスには、数千冊の展覧会カタログを蔵するカタログ資料室が美術博物館にある。本演習ではこの資料室も実践的に活用しつつ、上記の問題について考える。
授業は、講義ー資料室での調査ー参加者の発表 を組み合わせたゼミ形式を取る。従って、参加者には、漱石・鴎外あるいは日本近代美術についての予備知識は必要とされないが、主体的に授業に参加することが期待される。

【必読参考書】
◎芳賀徹『絵画の領分』(朝日新聞社、1984年/朝日選書、1990年)
◎『森鴎外と美術』展カタログ、2006年
◎今橋映子編著『展覧会カタログの愉しみ』(東京大学出版会、2003年)