担当教員:今橋 映子
講義題目:文学と美術の出会う場所ーー出版社という揺りかご
近代日本において、文学と美術が出会う重要な場所が2つある。雑誌と出版社である。
今年は、出版社という存在に注目し、以下の一冊の書物【教科書の項、参照】を全員で徹底的に読みながら、その豊かな現場に立ち会うことを目的とする。金尾文淵堂は、近代日本にあって、とりわけ本の装丁に重要な役割を果たした出版社でもある。
日本近代詩人(薄田泣菫、与謝野晶子)、初期社会主義者、仏教研究者、小説家(徳冨蘆花)、白馬会の洋画家たちが、そこで交錯する様を読んでいくことになろう。
また、編集者とはどのような存在なのか、本の装丁にはどのような工夫が凝らされているのか、などについても具体的に話し合っていきたいと考えている。
参加者が分担しながら全体の要旨をまとめるとともに、実際にこの出版社の本を手に取ったり、美術家の作品を見る体験もしたい。また最後には、「書評」というかたちで、自分の意見をまとめる作業に昇華させる。
予備知識は一切必要とされないが、授業への積極的な参加が期待される。