比較文化基礎論Ⅱ(日本文化交流基礎論)

担当教員:今橋 映子
講義題目:都市と郊外ー比較文化論入門

【都市と郊外ー比較文化論入門】

   都市論と呼ばれる学際的研究領域は、近年、単に世界の大都市を対象とするのみならず、多くの現代人の「住処」にもなっている「郊外」の問題や成立、その未来などについて、色々な議論をするようになってきた。本授業では、「都市論とは何か」から始まって、理論的基礎を固め、郊外論の現在まで見通せる授業を目指す。 主に扱う都市は、パリと東京である。
 本授業は同時に「比較文化論」とはいかなる営為かを具体的に考えることをもう一方の柱とする。まず「郊外」の性質が、大きく英米系とヨーロッパ大陸系で異なることに着目し、日本の郊外形成とどのような関係性にあるのか、「クロスエリア」研究の基盤ともなる問題に着目したい。
 さらには、「郊外」が、映画、文学、写真、漫画、ドラマ等に描かれることによって、ジャンルによるいかなる差異と偏向が生まれるのか、「クロスジャンル」研究の問題も考えたい。
 予備知識は必要としないが、都市と郊外について、都市史、建築史、歴史、社会学、文学、芸術など様々な興味から関心を抱く受講生を期待する。
 またこの授業は、比較日本文化論分科の必修授業のため、上記テーマを一つの事例としながら「比較文化論」の方法論を考えるよすがにもしたい。

*第1回目の授業にガイダンスを行うので、参加希望者は、「必ず」出席すること。

*別記の論文アンソロジーを、教科書として用いる。