比較芸術論演習Ⅰ

担当教員:三浦 篤
講義題目:日本における印象派受容

フランス近代絵画、特に印象派が日本近代絵画に大きな影響を与えたことは言うまでもないが、その受容の実態は必ずしも明確になっているわけではない。先駆的な紹介を除けば、フランスに留学した黒田清輝と久米桂一郎の帰国以来、印象派は知識として広まり、最初は複製図版、後には実作品を通して洋画家たちに刺激を与えていく。そうした明治以来の日本における印象派作品の移入と多様な影響、文字や画像を通した紹介のされ方などを原資料から調査し、印象派の日本的変容、変質の軌跡をたどってみたい。