比較芸術論Ⅱ

担当教員:今橋 映子
講義題目:森鷗外と美術

【森鴎外と美術】

 今年は森鴎外生誕150周年にあたり、11月には文京区千駄木に(全面改修された)森鴎外記念館が開館する。

 森鴎外は、生涯にわたって実に多様な側面から、明治大正期の「美術」に関わった作家であった。それは同時代画家たちを援護する批評、画家や美術を題材とする小説から、美術行政への参与に至るまで実に様々な側面をもっている。
 本授業は、近年次々と明らかにされてきている「鴎外と美術」について概観した上で、関係する画家の作品、鴎外自身の小説や美術批評作品、鴎外が関わった美術事業の現場などを、丁寧に読み込んでいくことを目的とする。
 その際、鴎外研究、近代日本美術史、比較芸術論(特に「文学と美術」をめぐる議論)などに踏み込むために、どのような文献や基本書目にあたるべきか、図書館や美術館、関連ネット情報の使い方などの入門にもなるよう配慮する。

   なおこの授業では、上記森鴎外記念館の見学を実施し、授業でも同館での展覧会や図書館を活用する予定である。また、「文学と美術」関連の多くの展覧会カタログが収められている駒場キャンパス美術博物館資料室も、実際に使って授業する。
 鴎外に関する前提知識は必要としないが、ゼミ形式(参加者の発表を主体とする)に積極的に参加する意欲のある人を期待する。

   *第1回授業にガイダンスを行うので、参加希望者は必ず出席すること。