比較文学論Ⅱ

担当教員:伊藤 徳也
講義題目:日本文学・日本文化の頽廃形式の様相-周作人の視点からの検討

周作人の日本語創作、日本文化論を起点にして、日本文学、日本文化の頽廃形式の様相を確認する。例えば、周作人の「西山小品」(1921年)は志賀直哉の「網走まで」等から示唆を受けた。1930年代以降の周は、永井荷風、谷崎潤一郎の作品(「雨瀟瀟」、「東京を懐ふ」、『武州公秘話』、『陰影礼賛』等)特に随筆に対する関心を深めた。彼の宗教儀礼に対する日中比較も興味深い。これらの日本の文学・文化テクストを、周作人の著作を照合させながら、演習形式で検討していく。