比較芸術論Ⅰ

担当教員:三浦 篤
講義題目:ラファエル・コランと日本近代洋画

黒田清輝の師であったフランスの画家ラファエル・コランは日本近代洋画にきわめて大きな影響を与えている。にもかかわらず、その存在は歴史に埋もれているし、その受容の実態はこれまで充分に精査されていない。アカデミズムをベースに、自然主義や象徴主義など多様な傾向を取り入れたコランの折衷的な画風が、日本の弟子たちを通してどのような反響を見出したのかを調査し、黒田清輝と白馬会と中心とした日本近代洋画史の主流派を再検討する。西洋美術を摂取する日本美術の事例としてもきわめて興味深い。