テクスト精読法Ⅱ

担当教員:増田 一夫
講義題目:哲学者と第一次世界大戦

100年前に始まった第一次世界大戦をめぐって哲学者たちはどのように考え、書き、行動したのか。また、未曾有の戦争に対して、市民、政治家、作家、芸術家とは異なる「哲学的」な態度を彼らは取りえたのか。そこには、哲学、政治、ナショナリズムをめぐる深い問題が見られる。また、大戦は哲学という象牙の塔をいくつもの仕方で揺るがす大事件でもあった。それは、「哲学者」の地位を侵食し、各方面の「専門家」が活動する領域を広げたといわれる。哲学の内部でも、啓蒙主義いらい看過されてきた「死」の問題を取り上げるようしむけたとされる。
 一学期という期間はあまりにも短いが、フランスの哲学者を中心に上記の問題を考えてみたい。