担当教員:エリス 俊子
講義題目:文化横断論:翻訳と文学
本授業では翻訳という行為について多角的に考察する。翻訳とは一語一語を異言語に置き換えるといった作業ではなく、そこにはさまざまなかたちでの「ずれ」と摩擦、衝突、力の拮抗があり、そして翻訳者は決定不能な宙吊り状態に置かれたまま複数の言語間を往来しつづける。翻訳の限界は同時に翻訳の可能性を示唆するものであることを確認しつつ、具体的な文学テクストに即して翻訳の問題について考えたい。
日本語で書かれたテクストを中心とする。日本語を「外国語」として、外から眺める視点を獲得しつつ、翻訳のプロセスから見えてくる言語の姿について検証する。