担当教員:三浦 篤
講義題目:娼婦の表象
2015年から2016年にかけてパリのオルセー美術館とアムステルダムの国立ヴァン・ゴッホ美術館で開催された展覧会Splendeurs et misères. Images de la prostitution 1850-1910(栄光と悲惨、売春のイメージ1850~1910年)は、近代フランスの文学や美術を考えるときに避けて通れない社会史的テーマを扱った画期的な展覧会であった。バルザックやゾラの小説、マネ、ドガ、ロートレックの絵画が示すように、ブルジョワ社会の裏社交界に君臨した高級娼婦から下級の娼婦に至るまで、「彼女たち」抜きに19世紀フランスの文化を語ることができないのは明らかである。この授業では、上記展覧会を出発点にして、参加者に「娼婦」というテーマをめぐって発表してもらい、多様な視点から議論を深めていきたい。