比較文化論Ⅳ

担当教員:伊藤 徳也
講義題目:「自分の文化体験の歴史化」ワークショップ2017:東アジア比較現代文化史研究

受講生に自分のこれまでの個人的な文化体験を発表してもらい、それを、20世紀後半以降の文化史の中に、如何に位置づけるとよいか、可能な限り微細なレベルまで、受講生全員で検討する授業をやってみたい。「個人的な文化体験」は文芸やカルチャーの享受体験を中心とする。その時々の社会現象の中の一部として脳裏に刻まれている体験である場合もあれば、社会的にはほとんど孤立した体験である場合もあろう。大衆文化やサブカルチャーの中の潮流や個別の作品に耽溺した体験を発表してもらうと、討議は白熱するかもしれない。5年前に開講した同様の演習では、「女オタク」や歴史もののゲームについて活発な議論が交わされた。
 特に、20世紀以降の東アジア全体の文化史の状況や流れに関心を持っている学生の積極的な受講を期待したい。私の経歴と知的背景の都合上、こちらから提供するトピックは、20世紀以降の中国文化史と1960年代後半以降の日本の大衆文化に偏るだろうが、受講生の授業参加によってそれを少しでも適正化できればたいへんうれしい。
 受講生のマジョリティは、おそらく日本語文化圏で育った1995年以降生まれの学生になるのではないかとおおよそ予想しているが、それ以外の、留学生や帰国子女、90年代以前生まれの学生等にも是非受講してほしい。
 なお、発表者に対して以下のようなことを要望する。
(1)自分の文化的体験を十分客観視し、自分の発表が、不案内な聴衆に対して効果的な紹介になるよう心がける。
(2)発表内容の要点や事項説明をまとめた資料を作成し、前日の正午までに、その電子ファイルを受講生全員に送信する。
(3)単なる思い出話を持ち寄る場にしないためにも、発表の際は、記憶だけではなく、必ず具体的な事物、記録、説明文等を実証的に提示する。
(4)自分の文化体験を歴史的に位置づけるための研究や情報(書籍、評論、論文)をあらかじめ確認しておく。
 また、討議の中で、触れられたくないことを質問された場合は、当然、ノーコメントでかまわないが、受講者は、受講する以上、自分の体験を討議の素材として必ず提供してほしい。