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ヘロンは「空気力学」と「オートマタ」の両著書で多くの自動機械装置を記述している。原著には多くの図が含まれていたが、現在にいたるまで写本から写本へ何度も書き写されたたため、当初の図がどうであったか分からなくなったものも多い。このページには、1899年にドイツの古典学者ヴィルヘルム・シュミット(Wilhelm Schmidt)が多くの文献を比較して復元したものを使った。
ヘロンの機械の多くは実用に供されたものではない。かなりシンプルなものも多く、それらは科学や技術の原理を示すための教材として作られたのかもしれない。
 
[図1]
例えば図1の自動ラッパ吹きだが、トランペット奏者は水の入った台の上に立っていて、トランペットの吹き口から空気が吹き入れられると水が押しのけられ、口からトランペットを離すと水が流れ戻って、トランペットの音が鳴る。
 
[図2]
図2はこの原理を応用した、ドアーが開くとラッパが鳴る装置だが、これも実用的というより人を驚かせるためのおもちゃだっただろう。
 
  [図3]
水オルガンも基本的に同じ原理に基づいている。ポンプから空気が水中の容器に送られる。鍵が押し下げられると、パイプの中に空気が流れ込む。
(図3、図4)
 

[図4]

 
 
[図5]
ポンプを風車で運転するオルガンも紹介されている。オルガン自体は水オルガンだったと思われるが、ヘロンの著書にはそれについての言及はない(図5)。
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