この作品は、個々の音がその前の音との関係に基づく単純な規則のみに従いながら全体を形成していくプロセスが人間とのインターラクションと共に音響化されるシステムとして計画され、タイトルはその過程を、風化作用によって岩や石が、やがてすべて同じ大きさの砂粒となっていく砂漠の形成に喩えたところから生まれた。
ピアノ鍵盤上で鑑賞者によって自由に「演奏」された旋律は、繰り返される16音からなる断片としてコンピュータに取り込まれ、それぞれの音はひとつ前に弾かれた音との調性関係(弾かれた音が属する調性の隔たり)を比較し徐々に音高を移動させながら、全体としてひとつの調性的な旋律パターンに収束し、やがて消えて行く。
なお、自動演奏ピアノによるこのサウンド・インスタレーションは1996年に奈良で開催された人工生命学会「ALIFEV」のために三輪眞弘と入鹿山剛堂が共同で制作され、2000年2月にテレビ朝日の「題名のない音楽会」で紹介された。


楽しみ方:
いろいろな弾き方で自由に鍵盤をたたいてください。ピアノが演奏している途中でもかまいません。
和音を弾いてもかまいませんが、コンピュータに取り込まれるのはその中の1音だけです。

三輪眞弘/入鹿山剛堂

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