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古代から残っている音楽機械はなく、失われた機械についての情報も僅かである。しかし、そういう機械が 実際に存在していたこと、また可能性として考えられていたことを示す証拠はいくつも残されている。たとえばプラトン(紀元前427〜347年)は宇宙全体を、音楽を奏でる機械のようなものとみなし、人間の音楽はその宇宙の音楽の模倣にすぎないと考えた。アルキメデス(紀元前287頃〜212年)はそのプラトンの考えと自らの天体観測に基づいて、水力によって回る太陽と月と5つの惑星のモデルを作成した。アリストテレス(紀元前384〜322年)は機械を奴隷とみなし、たとえばキタラーのような楽器を演奏する機械があれば、奴隷は不要になると考えた。クテスィビオス(紀元前3世紀)以来、水オルガンを含む多くの音楽機械が発明された。それより300年後になるが、アレクサンドリアのヘロン(紀元後1世紀頃)の著書には多くの自動楽器が紹介されている。

H. G.

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