東京大学比較文学比較文化研究室

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研究室紹介担当教員紹介大学院学部後期課程
三浦 篤 みうらあつし
専門

西洋近代美術史が専門で、19世紀フランス絵画をアカデミズムと前衛の二つを視野に入れて研究しています。もう一つの研究テーマは日仏美術交流史で、ジャポニスムや日本近代絵画に比較芸術の観点から取り組んでいます。

 
シニアで主に担当する予定の授業科目名
比較芸術論、比較芸術論演習、芸術作品分析法、資料・文献調査法など
 
旧シニアで主に行っていた授業内容名
ジャポニスム研究、日本近代洋画とフランス、イメージと文字、美術批評と戯画など
 
この新しいコースと学生さんたちに期待すること

学問はすべてどこかでつながっています。確かに「専門分野」というものはあって、自分の軸足を置く基礎の部分はきちんと確保しなければならないけれど、それだけで充分というわけではありません。現代はむしろ1個の専門分野だけでは解けない問題に満ちていると言ってもよい。つまり、分野をまたいだり領域を越したりしなければ、見えてこない世界があるのです。少しばかりの勇気と方法を学ぶ意欲があれば、未知のゾーンに入っていけるのです。

だからこそ、単なる文学研究、芸術研究ではなく「比較文学比較芸術」を標榜するコースを敢えて作りました。実は、私たちは無意識のうちにも「比較」しながら物事を判断したり、価値を決めたりすることが多いのですが、学問においても「比較」というのはとても重要な構え、態度です。それを意識化し、方法論にまで精錬させていくことで、文学や芸術のみならず、文化一般にまで研究の幅を広げ、質を高めることができる、私はそう確信しています。

私自身が実践している例を挙げれば、19世紀後半の日本とフランスの美術を、別個に研究するに止まらず、その交流の実態を双方向的に調査していますが、これは地域的な境界をまたぐという意味で「クロス・エリア研究」の一例に当たるでしょう。あるいは、絵のなかの文字の機能を調べたり、美術批評を分析したり、絵画と文学の相関関係を考察したり、これは異なる領域をむすぶという意味で「クロス・ジャンル研究」と呼ぶことができるでしょう。

学問と同じく文学・芸術もすべてつながっています。ある意味で文化の根は一つなのです。私は職業柄、美術館や展覧会に頻繁に行きますが、コンサートやオペラ、歌舞伎や文楽にも足を運びますし、詩や小説を読むのも大好きです。そこには人間のかけがえのない精髄が詰まっていますから。複眼的なまなざしで文化を研究しながら、わくわくするような学問の歓びをこのコースで味わってみませんか。

 

 

 
 

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