学部ではフランス語フランス文学を学びましたが、英文科や国文科、はては印度哲学科の講義も覗いていました。ただし、あまり真面目に出席する学生ではありませんでした。勉強になったと思うのは、友人たちとやった読書会でした。日本の近現代小説や、英語の小説や戯曲、理論書などを読みました。様々な場所で、いろいろと議論したのが懐かしく思い出されます。そんななかで、比較文学への関心も生まれたかも知れません。
孤独に本ばかり読んでいた時期もあります。本を読んでいればともかくも生きていられる、と思ったものです。本が支えになった時があったのはたしかです。それは、知識を手に入れる、というかたちの読書とはずいぶん違っていました。文章の手触りを頼みにする、という感覚です。
そのことは、今もあまり変わらないかもしれません。ですから、本を読むのはとても遅い。信じてもらえないくらい遅いだろうと思います。また、頭の切り替えがうまくないのか、次から次に別の本を手に取ることができません。
ゆっくり本を読んでみるのは、なかなかよいものです。それから、ぜひ友人たち
と、同じ本を読んで議論してみてください。きっと教室では得難い経験をするだろうと思います。
こんなことを書くと、大学の授業はいらないみたいですが、教室で学べることもそれなりにあります。念のため。 |