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研究室紹介担当教員紹介大学院学部後期課程

比較文学・比較文化フォーラム「知の共有財産・展覧会カタログ──制作から批評まで」

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日時・場所

日時:2003年7月5日(土) 午後12時30分~6時30分

場所:東京大学駒場キャンパス 数理科学研究科棟・1F大講堂

主催

東京大学大学院 総合文化研究科 超域文化科学専攻 比較文学比較文化研究室

【共催】 東京大学美術博物館、日仏美術学会

内容

私たち東京大学大学院比較文学比較文化研究室では、このたびシンポジウム「知の共有財産・展覧会カタログ ──制作から批評まで」を、美術博物館および日仏美術学会と共催で行うことになりました。
このシンポジウムは、共著『展覧会カタログの愉しみ』(今橋映子編著、東京大学出版会)を受け、学術的に発展討議させるものです。

展覧会カタログは、わが国においては著作権法の関係上、観覧者以外には市販できず、いわば「展覧会グッズ」のような地位にあります。
従って美術作品の複製を、原則的には著作者の許諾なくできるために、オールカラーであっても手頃な値段で販売できる反面、欧米などとは異なってISBNの付いた一般書籍として、多くは流通していないのが現状です。
従って一般の人々には目に触れにくく、残念ながら新聞・雑誌の書評欄で取り上げられることも多くありません。

しかし近年、企画の新鮮さ、学術的探求の深さ、一冊の〈本〉としての楽しさ──を共に兼ね備えたカタログが、日本でも相次いで発行され、「隠れたベストセラー」も目につくようになりました。
美術に関する「ハコモノ」行政の不備が指摘されて久しいですが、カタログの存在は、まさにその「ソフト」の部分の充実に他ならないでしょう。

東大比較文学会の学会誌『比較文学研究』では、1999年(同誌第74号)より年2回継続的に、「展覧会&カタログ評」のコーナーを新設、現在まで二十本以上のカタログ評を公表してきました。
美術史の専門ではない私たちは、あえて、評価の定まった一画家の回顧展のようなものでなく、文化交流史、異文化表象、アジア論、諸芸術間交渉――といった斬り口の展覧会とカタログ批評を心がけています。

近刊本『展覧会カタログの愉しみ』は、雑誌からの転載批評20本の他、専門の異なる分野で活躍中の著者たちに積極的に寄稿を依頼し、多面的にカタログの現在を浮かび上がらせるよう試みました。
そこでは単に「書評」集といった性格になるのを避けるため、ジャンルとしては漫画、映画から和菓子展まで、注目の話題をコラム的に提供する一方、〈本〉と いう形態にこだわったデザイン性の高いカタログ、初心者や子供に向けた良質な入門編カタログまで、幅広くカバーする予定です。

そして今回のシンポジウムではその成果を受け、美術史、美術情報学、比較文学・比較文化の研究者が、美術館などの現場と対話しつつ、21世紀のカタログのあり方、あるいはカタログ批評の可能性について語りあいます。

多数の皆さまのご参加をお待ちしております。

本シンポジウム開催責任者
東京大学大学院・助教授
今橋 映子

プログラム

12:30-12:45

ご挨拶(比較文学比較文化研究室主任・大澤吉博)
趣旨説明(今橋映子)

第一部 制作から収集まで (司会:三浦篤)

12:45-1:15

三浦 篤 (超域文化科学専攻助教授、西洋近代美術史)
「フランスにおける展覧会カタログ ──マネ展をモデル・ケースに」

1:15-1:45

本江 邦夫 (多摩美術大学教授、近・現代美術)
「展覧会カタログのあるべき姿について」

1:45-2:15

波多野 宏之 (前国立西洋美術館主任研究官・美術情報学)
「〈美術館の記憶〉と展覧会カタログ ──ドキュメンテーションの視点から」

2:15-2:45

寺口 淳治 (和歌山県立近代美術館主査学芸員・日本近代美術)
「カタログの制作 ──「田中恭吉展」でとった手法」

2:45-3:15

第1部 質疑応答

第二部 カタログ批評の可能性 (司会:今橋映子)

3:45-4:15

今橋 映子 (超域文化科学専攻助教授・比較文学比較文化)
「カタログ批評の可能性 ──1920年代パリを語るということ」

4:15-4:45

三浦 俊彦 (和洋女子大学教授・作家、論理学・美学)
「展覧会サプリメントとしてのカタログ」

4:45-5:15

中村 和恵 (明治大学助教授、英語圏のポストコロニアル文化・文学)
「ジョン・マンディーンを探して
──現代アボリジナル・アートにおける聖と俗の「知的所有権」」

5:15-6:15

第2部および全体の質疑応答

問い合わせ先

比較文学比較文化研究室(hikaku @ fusehime.c.u-tokyo.ac.jp)

 

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