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研究室紹介担当教員紹介大学院学部後期課程

比較日本文化論分科2004年度テーマ講義「ジャパン・コンシャス?―日本を意識するとき―」

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日時・場所

毎週水曜日 5時限目(16:20-17:50)

東京大学教養学部駒場キャンパス12号館1225教室

内容

担当教員:齋藤 希史

日本を意識する、とはどういうことでしょうか。たとえば、日本の伝統とか日本の文化とか一口で言っても、その多くが、いわば歴史の後知恵で再構成ないし創造されたものだ、というのは今日ではほとんど常識になっている感すらあります。ともすれば日本らしさなるものに実体を求めてそれに寄りかかりかねない時代に生きるわれわれにとって、そういった再構成や創造のメカニズムについて語りつづけることは重要です。けれども、議論の上っ面をなぞって、日本の伝統なんて後から作られたものなんだ、という認識を得ただけで終わってしまうのでは、固定観念のメガネを新調しただけになってしまいます。

この授業では、そうした議論を踏まえた上で、さまざまな時代・テクスト・人物において日本なるものが意識された局面、あるいはわれわれが日本なるものを意識しうる局面を浮かび上がらせ、日本を意識するとはどういうことだった/であるのか、具体的ケースに則して考えます。アプローチには大きく二つ──比較文化論と日本文化論が想定されますが、通りいっぺんの比較論や日本論をするつもりはありません。比較文化論的アプローチを取るときは、異なる文化を対比させて相互の違いを固定するのでなく、むしろ接触と混淆のなかから新たな何かが生まれた瞬間を捉えようとします。日本文化論的アプローチを取るときは、文化の独自性や一貫性に固執するのでなく、大陸の東に展開する列島地域が文化のフィールドとしてどのようなダイナミズムを得たのかを考えようとします。

毎週が刺激的な議論の連続になるでしょう。積極的な参加を歓迎します。

プログラム

乱反射する日本まずは頭を柔らかく

4/14 義江 彰夫
異文化体験で私は何を発見したか─日本研究の視点から
4/21 鈴木 広光
立ち現れた「日本語」のすがた─言語の視覚化
4/28 黒住 眞
日本近代思想史と「日本」論

交錯するテクスト「異文化」はどこにある?

5/12 大澤 吉博
「蝶々夫人」と「お菊さん」
5/19 菅原 克也
「お菊さん」の日本
5/26 伊藤 徳也
周作人の比較日本文化論

日本らしさの源流ヤマトゴコロを人問わば

6/02 神野志 隆光
「やまと」「倭」「日本」─古代のテキストは自分たちの世界をどうよびあらわしたか
6/09 三角 洋一
唐土にたたずむ貴公子─浜松中納言と松浦宮の弁少将
6/16 杉田 昌彦
「物のあはれ」の日本

開かれたフィールドで聞こえる声はひとつじゃない

6/23 徳盛 誠
「警世」と「経世」とのあいだ─杉田玄白と海保青陵
6/30 ロバート キャンベル
「繁昌記」に刻まれた日本
7/02 齋藤 希史
旅人の自画像─日本発見のメカニズム
7/07 フロアトーク

問い合わせ先

比較文学比較文化研究室(hikaku @ fusehime.c.u-tokyo.ac.jp)

 

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