担当教員:ロバート キャンベル
本という意地悪な「他者」と向き合ってきて何千年になる。制度としての文学は死滅、歴史も記述によって作り上げたフェーブルに過ぎない、とすれば人間はそろそろ、この厄介者とたもとを分かった方がいい。活字離れは時の流れだ、と。
このテーゼを、講義を聴く者全員に真剣に考え、判断してほしい。授業はブックに見立て、全3章13節。本を読んで何になるかを、創造の現場から切り込むこと。読み書きすることで心を「解く」ことが可能かどうか、を考えること。固有の時代と地域に目を向け、読むことが現実をどう作りかえたか、文字がイメージの力能に追いつくことに成功したかどうか、を見つめること。
一回目から「本文」に入るので、受ける人は最初からきっちり出席してほしい。成績は一巻を「読み上げた」上で、レポートを書く、これを評価する。