比較文学比較文化研究室

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研究室紹介担当教員紹介大学院学部後期課程

授業内容一覧

平成23/2011年度授業科目一覧

科目名(担当教員) 講義題目・内容

多元文化構造論II
(大石紀一郎)

「ニーチェとモダニティ」
「ニーチェとモダニティ」というテーマは多層的な関係を含んでいる。ニーチェは、一方では文献学者として「古典性」の理念を追求し、言説のレベルにおい ては「モダニティ」を批判しているが、他方では芸術におけるモダニズム現象の思想的先駆として大きな影響を与えてもいる。この授業では、参加者とともに ニーチェのテクストを詳しく読みながら、ヨーロッパにおける「モダニティ」の位相を文化史的・思想史的にも考えていくことにする。

神話と文化II
(梶谷真司)
「規範に関する歴史哲学的研究」
「規範」について、哲学、社会学、歴史学など、多面的に考察する。

基層文化形成論II
(BOCCELLARI JOHN JAMES)

「民俗文化の現在」
映像資料を参考にしながら、伝統文化と現在の社会のつながりを考える。教室から離れて、見学の機会も持ちたい。

文化コンプレクシティ演習II
(佐藤光)

「明治大正の英詩受容を考える(山縣五十雄特集)」
英詩を読む力の育成と明治期の英詩受容について知識を深めることを目指します。山縣五十雄注釈『英詩研究』(言文社、明治36-37年)。国立国会図書館ウェブサイト近代デジタルライブラリーに収録されているので、必ず参照のこと。

文化コンプレクシティ演習III
(桜井英治)

「中世日本の社会と文化」
室町時代の皇族・伏見宮貞成親王の日記『看聞日記』の嘉吉元年(1441)条を読む。六代将軍足利義教が暗殺された嘉吉の変に関する詳細な記事がみえるほか、社会・文学・美術・芸能・遊び・衣食住等々に関しても記事が豊富である。この史料から何をつかむかはひとえに銘々の関心次第だが、歴史学・文学・美術史・文化人類学・民俗学など、さまざまな分野からの受講者を広く期待している。

文化コンプレクシティ演習VI
(三角洋一)

「『源氏物語』総角巻を読む」
『湖月抄』によって読み進め、指摘される典拠、有職故実、史実にあたりなおし、研究方法をしっかり身につける。

文化コンプレクシティ演習V
(井上健)

[夏学期]「近現代の「幻想」短篇を読む」
2010年度冬学期に引き続き、テーマ研究、ジャンル研究の立場から、近現代の《幻想文学》の読解を試みる。日本《幻想文学》の系譜と、西欧近代《幻想文 学》のそれとの対比的読解を試みることによって、西欧的な枠組みでは律しきれない、「日本的幻想」の構図を浮かび上がらせることを目標としたい。今期はそれに加えて、《幻想文学》がいかに翻訳されたか、何がどこまで翻訳可能であるのかについても、適宜、考察していく予定である。

[冬学期]「昭和文学とアメリカ文学の比較研究」
モダニズム期から1980年代半ばにかけて、アメリカ文学ことにアメリカ小説がいかに読まれ、日本近現代文学にどのような影を落としてきたのかを考察する。

比較詩学II
(齋藤希史)

「東アジアの文体と思考」
東アジアにおける文体と思考の空間は、中国古典文というシステム、あるいは漢文脈によって、一つのゆるやかな圏域を為していた。近代以降、西洋文化の急激な摂取とともに、その圏域はそれぞれの近代文化システムへと再編されていく。この授業では、その前後において東アジアのエクリチュールに大きな変容があったことを前提としつつ、かつその連続性にも着目して、東アジアにおける文体と思考について検討することを目標する。

ジャンル交渉論II
(Hermann Gottschewski)

「音楽における東アジア(1)(2)」
講義題目に挙げた「東アジア」は主に漢字文化圏を意味している。「漢字文化圏」は文字文化に基づいている地域概念であるが、それは音楽文化にも有力な概念 だろうか。この授業では具体的な音楽ジャンルや文化交流のケースを挙げながら音楽における「東アジア」を様々な観点から観察したいと思う。主に近現代日本 の音楽文化(近代化後の雅楽や近世邦楽、詩吟、明清楽、西洋音楽、Jポップを含む)からスタートし、その中に日本の国境を越えるアジア的な要素を探って行きたい。学生発表では日本以外の国を出発点とするテーマも歓迎。

比較形象論II
(三浦篤)

[夏学期]「フランス近代美術文献購読(1)エルネスト・シェノー」
美術批評家シェノーのテクストを読む。19世紀フランスにおいて、同時代のフランス絵画論、万博美術論、日本美術論、産業芸術論、美術制度論、イギリス絵 画論など、多様な関心を反映する文章を残した重要な批評家である。シェノーを起点に、19世紀後半のフランス美術史のダイナミズムについて、美術批評の観点から考察してみたい。

[冬学期]「フランス近代美術文献購読(2)シャルル・ブラン」
美術批評家、美術行政官で、Gazette des Beaux-Arts の初代編集者としても名を残すシャルル・ブランの Grammaire des arts du dessin を読む。本著は19世紀フランスのアカデミックな美術理論としてもっとも重要な著作であり、伝統的な美学を継承しつつ19世紀的な変容を体現するその根幹 に触れてみたい。また、この著作を理解することによって、革新的な美術批評の意義もさらによく理解されるに違いない。

比較ナラトロジーII
(伊藤徳也)

「現代中国における審美主義とモダニティの諸形式」
今年度は、中国語圏の文芸作品分析にナラトロジーを適用させるための、ごく初歩的なトレーニングを行います。映画化された小説をいくつかピックアップして、作品ごとに、物語内容と物語形式(文字、映像、音響)の基本的な関係を大まかにたどっていきます。それと同時に、作品と享受者との間の審美関係(読者 あるいは視聴者の反応等)にも考察を加えます。物語形式を比較するために、日本語作品や他のメディア(マンガ、TVドラマ)も、可能な範囲で取り上げたいと思います。

比較思考分析II
(古荘真敬)

「生の現象学」
[夏学期]フッサールに始まるいわゆる「現象学」は、われわれの「生」をいかに問い、いかに思惟してきたか? ハイデガー、フィンク、メルロ=ポンティ、レヴィナス、アンリといった人々による「生」の哲学を、その主要な論点において整理しながら、現象学的思惟のさらなる展開の可能性を探る。

[冬学期]夏学期に追跡した「生の現象学」からの問いかけに呼応する仕方で、『存在と時間』期から後期哲学にいたるまでのハイデガーの思想内容を再検討し、その可能性と限界について考察していく。そこではそもそもどのような事柄が思索され、あるいは考えられずにしまったのか?

比較文学比較文化演習II
(ロバート キャンベル)

開講時に指示する。

比較文学比較文化演習III
(今橋映子)

「〈雑誌〉研究の今日-文学・美術研究の現場で」
インターネット環境の進化と、雑誌復刻事業の蓄積によって、文化研究における〈雑誌〉分析の可能性は、一段と広がってきている。本授業は一年間の通年計画で、〈雑誌〉を研究補助として扱うのではなく、雑誌そのものを対象とした文学、美術(写真、映画、建築等を含む)研究がいかにして可能かを探る。具体的事例の検討(夏)と、参加者の研究発表(冬)から構成する予定である。参加者には予備知識を要求しない。また文学、美術、思想など、どの分野の(どの地域の)専門でも参加可能である。ただし一年間の熱心な取り組みが期待される。

比較文学比較文化演習IV
(寺田寅彦)

「日仏自然主義文学テクスト分析」
フランスと日本の自然主義文学のテクストを、分析手法に留意しながら分析することを目標とする。

比較文学比較文化演習V
(野矢茂樹)

「自由と行為の哲学」
自由論と行為論について、現代の代表的な議論を理解し、その問題についての考察を深める。『自由と行為の哲学』(春秋社、門脇俊介・野矢茂樹監修)
[夏学期]P.F.ストローソンの「自由と怒り」を扱う。
[冬学期]H.G.フランクファートの「選択可能性と道徳的責任」と「意志の自由と人格という概念」を扱う。

比較文学比較文化演習VI
(菅原克也)

[夏学期]「戦後小説と対外認識」
戦後(1945年以降)に書かれた小説を、そこに立ち現れる「対外認識」という観点から読み解く。

[冬学期]「萩原朔太郎を読む」
萩原朔太郎の『月に吠える』に収められた詩を一篇ずつこまやかに読んでゆく。萩原朔太郎『月に吠える』(岩波文庫)

超域文化科学特殊演習III
(徳盛誠)

「日本文化研究入門一歩手前-『古事記』を読む」
この授業は主として留学生を対象とする演習です(その他の学生も受講可能)。8世紀初めに成立した『古事記』を読むことを演習の中心とします。読みすすむ中で、このテキストを成り立たせた文化的環境を理解すること、また、日本の古典テキストを読む際の注意点や調べる方法の基本を学ぶことをも、演習の目標とします。『古事記』(中村啓信訳注、角川ソフィア文庫)

超域文化科学特別講義II
(井口時男)

「戦後文学再検討」
重要作家・作品の紹介を兼ねつつ、敗戦・被占領期を中心にした戦後文学の意義と可能性を再検討する。取り上げる作家は火野葦平、坂口安吾、太宰治、野間 宏、椎名麟三、武田泰淳、埴谷雄高、梅崎春生、大岡昇平、三島由紀夫等。各作家の戦前・戦中体験も踏まえながら、一回90分で各作家の「本質」に迫る講義にしたい。対象はあくまで戦後文学だが、現代の文学状況まで見通すパースペクティヴは保持しながら進める。広義には日本はなおも「戦後」なのだから。

超域文化科学特別講義II
(石田佳也)

「日本近世絵画史研究 屏風絵が映し出すもの」
日本美術史における個々の絵画作品がもつ意味は、美術の世界にとどまるものではない。あらゆる屏風や絵巻や掛軸は、例えばその画題や制作経緯に着目するだけでも、絵画以外の造形分野や、時代や地域を超えた風俗文化との間に実に多種多様な関連性を見い出すことができる。この講義では、日本美術史の中から、とくに中世末から近世初期にかけて制作された十数例の特徴的な屏風絵を取り上げ、芸能や文学、宗教や生活風俗との関連も視野に入れながら、その文化史的意義 を広く考察する。

超域文化科学特殊研究V
(井上健)

「20世紀英米短篇小説の講読」語法、構文、構成、技法などに着目しつつ、現代英米の短篇小説を精読する。

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